なぜ「Explore Japan through Judo」を始めようと思ったのか?

なぜ「Explore Japan through Judo」を始めようと思ったのか?

ブログの第一回目として、なぜこの様なサイトを作ろうと思ったのかを簡単にお話できればと思います。

私は元々日本のテレビ番組の企画制作を仕事としてきました。様々なテーマに即した取材をし、数多くのテレビ番組を作り上げ放送してきました。そんなある時、「柔道」をテーマにしたドキュメンタリー番組に関わることになったのですが、正直にいうと私は「柔道」にそれほど興味があったわけではありませんでした。ところが、いざ「柔道」を取材し始めると、「柔道」が持っている多くの可能性や課題が見えてきたのです。

https://www.bsfuji.tv/judo/pub/index.html

(日本で唯一「柔道」をテーマにしたテレビ番組)

取材を始めてすぐに気付いたのは、「柔道」は「言葉を超えたコミュニケーションスキルだ」ということです。実際、柔道の総本山・講道館には、世界中から柔道家が集まり、言葉が十分に通じない中でも日々稽古に励む姿が毎日の様に見られます。柔道練習に励む子どもたちは、外国人相手でも気にすることなく組み合っています。柔道を嗜んでいる人たちとって、当たり前のことを今更なぜ言うのだろう、と思うかも知れませんが、柔道をやっていないその他大勢の日本人にとって、外国人と身体を接し組み合う経験などほぼありえないことです。

もうひとつ面白い話を聞きました。日本人の柔道家の中には、語学力が高くなくても、柔道着一つ持って、世界中の道場から道場へ渡り歩く旅をしているものがいるというのです。これこそ柔道が素晴らしいコミュニケーションスキルだと証明しているエピソードだと思います。

一方、日本で柔道練習をしている外国人柔道家からこんな話も聞きました。「日本人なら誰もが柔道をやっていると思った」「日本で柔道をやろうと思ってもどこで柔道ができるか情報がない」などです。確かに講道館や大阪・講道館はHPで英語情報を発信していますし、外国人柔道家の受け入れを表明しているその他の道場は幾つかあります。ですがその数は決して多くはありません。

そして柔道番組の取材を通して見えてきたことに、日本の柔道界が抱える問題がありました。それは柔道人口減少による道場の存亡の危機です。日本は柔道人口が毎年のように減り続け、30年前と比較すると半減しているといいます。柔道を嗜む人数が減ることは、それはそのまま道場経営を圧迫することになります。実際、閉鎖した地方道場が出てきたり、まだ活動している道場でも所属人数が随分と少なくなり、活動自体も勢いを失っているところが多くありました。

(全日本柔道連盟HPより抜粋)

そこで考えついたのが、日本で柔道を楽しみたい外国人柔道家と日本全国にある道場とを結びつけ、柔道をもっと自由にアクティブに楽しめる仕組みを作れないかということです。それが本サイトを構築しようと思った理由です。

柔道の魅力は、「コミュニケーションスキル」だけではありません。礼に始まり礼に終わる柔道は、教育的効果も高く、そういった点も海外の方々に好まれる理由だと思います。実際お会いする外国人柔道家はみなさん礼儀正しく気持ちいい方々ばかりです。このサイトが上手く機能して、そうした外国人柔道家と日本の地方道場との交流が活発になることで、柔道の魅力がもっと沢山の人たちに伝わり、日本の柔道界もより一層盛り上がるようになるといいなと思っています。